2009年02月10日
日産自動車の野球部廃部とCSR
世界同時不況のあおりを受けて、日産自動車が硬式野球部の休部を決定したそうです
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2009/_STORY/090209-02-j.html
日産のプレスリリースによれば、野球部休部の主な理由として、「一段の状況悪化でキャッシュ・マネジメント戦略、経営体制、投資計画のさらなる見直しの必要性が生じている」を掲げていますが、そもそもプロ野球ではく社会人野球という時点で、キャッシュ・マネジメントというか採算度外視であることは会社は理解していたのではなかったの?
日産に限らず、西武鉄道もプリンスラビッツ(アイスホッケー)を廃部にする方向だし、三菱ふそう川崎も硬式野球部は休部の方向だし。
プロ野球の一部の球団をのぞけば、キャッシュ・マネジメントなどを強調されると、日本のアマチュアスポーツそのものの存続が危うくなるのでは・・・と思わずにはいられず。
そもそも、企業が、プロ野球ではないアマチュア社会人野球チームを創部・維持する目的は、企業の広告体ということもあるだろうし、そもそも採算度外視での企業の社会的責任(CSR)ということにあるのではないのか。
不況になれば、CSR的側面の代表格であるアマチュアスポーツから切り捨てというのは、言語道断。
結局、CSRとは名ばかりで企業には根付いていなかったということになるのか。
アマチュアスポーツ好きとして、今回の決定には落胆せずにはいられません。
企業法務・危機管理・リスクマネジメント・顧問弁護士−アサミ経営法律事務所
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2009/_STORY/090209-02-j.html
日産のプレスリリースによれば、野球部休部の主な理由として、「一段の状況悪化でキャッシュ・マネジメント戦略、経営体制、投資計画のさらなる見直しの必要性が生じている」を掲げていますが、そもそもプロ野球ではく社会人野球という時点で、キャッシュ・マネジメントというか採算度外視であることは会社は理解していたのではなかったの?
日産に限らず、西武鉄道もプリンスラビッツ(アイスホッケー)を廃部にする方向だし、三菱ふそう川崎も硬式野球部は休部の方向だし。
プロ野球の一部の球団をのぞけば、キャッシュ・マネジメントなどを強調されると、日本のアマチュアスポーツそのものの存続が危うくなるのでは・・・と思わずにはいられず。
そもそも、企業が、プロ野球ではないアマチュア社会人野球チームを創部・維持する目的は、企業の広告体ということもあるだろうし、そもそも採算度外視での企業の社会的責任(CSR)ということにあるのではないのか。
不況になれば、CSR的側面の代表格であるアマチュアスポーツから切り捨てというのは、言語道断。
結局、CSRとは名ばかりで企業には根付いていなかったということになるのか。
アマチュアスポーツ好きとして、今回の決定には落胆せずにはいられません。
企業法務・危機管理・リスクマネジメント・顧問弁護士−アサミ経営法律事務所
2009年02月09日
ワークシェアリングと副業容認
多くの会社では、就業規則によって「従業員による副業」を禁止している。
一時期、従業員による週末副業(週末起業)ブームが起きたときも、多くの会社では、就業規則の副業禁止条項を理由に、週末副業(週末起業)を認めなかった会社が多かった。
しかし、時代は、今や経済不況のまっただ中。
派遣社員や期間従業員は期間満了による雇止め、場合によっては、契約期間中の中途解約にも至っている。
リストラの波は着々と正社員にも波及し、正社員の希望退職募集制度、退職勧奨、工場の稼働時間を短縮するなどのワークシェアリングとすすみ、ついには整理解雇寸前まで進んでいる企業も多い。
そんな中、報道によると、一部のメーカーでは、工場の稼働時間を短縮するワークシェアリングを導入する一方で、従業員が収入を確保・維持できるように、副業を認める動きが始まっているそうだ。
日本商工会議所の会頭は、「(工場操業の)時間短縮で空いた時間に他の仕事をして、賃金の不足を補う。変則的だが、緊急避難型のワークシェアリングの一つ」ともコメントしている。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090206k0000m020035000c.html
会社と従業員とがお互いに共存しあうためには、こういう方法もあっていいかもれしれない。
なお、就業規則に「副業禁止」ということが定められていない会社の場合には、「会社の業務に支障がない程度の副業は認められている」と考えられているので、これまでどおり、副業をすることはできます。
企業法務・危機管理・リスクマネジメント・顧問弁護士−アサミ経営法律事務所
一時期、従業員による週末副業(週末起業)ブームが起きたときも、多くの会社では、就業規則の副業禁止条項を理由に、週末副業(週末起業)を認めなかった会社が多かった。
しかし、時代は、今や経済不況のまっただ中。
派遣社員や期間従業員は期間満了による雇止め、場合によっては、契約期間中の中途解約にも至っている。
リストラの波は着々と正社員にも波及し、正社員の希望退職募集制度、退職勧奨、工場の稼働時間を短縮するなどのワークシェアリングとすすみ、ついには整理解雇寸前まで進んでいる企業も多い。
そんな中、報道によると、一部のメーカーでは、工場の稼働時間を短縮するワークシェアリングを導入する一方で、従業員が収入を確保・維持できるように、副業を認める動きが始まっているそうだ。
日本商工会議所の会頭は、「(工場操業の)時間短縮で空いた時間に他の仕事をして、賃金の不足を補う。変則的だが、緊急避難型のワークシェアリングの一つ」ともコメントしている。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090206k0000m020035000c.html
会社と従業員とがお互いに共存しあうためには、こういう方法もあっていいかもれしれない。
なお、就業規則に「副業禁止」ということが定められていない会社の場合には、「会社の業務に支障がない程度の副業は認められている」と考えられているので、これまでどおり、副業をすることはできます。
企業法務・危機管理・リスクマネジメント・顧問弁護士−アサミ経営法律事務所
2009年01月30日
株主総会の継続開催
株式会社にとって最大のイベントのひとつが株主総会です。
株主総会は、招集手続だけでも多くの費用と手間がかかるので、通常は、1回の開催ですべての報告事項を報告し、すべての議案についての承認を得るように、用意周到に準備し、運営します。
ところが、今回、株主総会の継続開催(継続会)が行った会社がありました。
一時会計監査人の選任から株主総会までの日程が短かったために、計算書類・その附属明細書・連結計算書類についての監査役による監査と会計監査人による監査が終了しなかったというのが理由のようです。
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=666335
株主総会は、直近1事業年度の会社経営の数字と結果を、オーナーである株主に対して報告するための会議です。
「株主様から出資していただいた額を元手に、この1事業年度経営した結果、これこれこういう数字になりましたよ」と報告するのです。
そこで、株主総会で数字を報告する際には、直近1事業年度の数字については、第三者の承認を経て、客観的に正しい数字であることを担保しなければなりません。
この担保のための手続が、監査役・会計監査人による監査です。
しかし、今回は、この担保のための手続である監査役・会計監査人による監査が得られなかったために、会社は計算書類・その附属明細書・連結計算書類を株主総会に提出し、報告することができずに、継続会を強いられたのです。
会社における株主総会・取締役会(取締役)・監査役(会計監査人)により相互を監督するという三権分立が機能した象徴的なケースといえるでしょう。
他社にとっても、監査役による監査・会計監査人による監査の重要性をより実感できたケースであったのではないでしょうか。
企業法務・危機管理・リスクマネジメント−アサミ経営法律事務所
株主総会は、招集手続だけでも多くの費用と手間がかかるので、通常は、1回の開催ですべての報告事項を報告し、すべての議案についての承認を得るように、用意周到に準備し、運営します。
ところが、今回、株主総会の継続開催(継続会)が行った会社がありました。
一時会計監査人の選任から株主総会までの日程が短かったために、計算書類・その附属明細書・連結計算書類についての監査役による監査と会計監査人による監査が終了しなかったというのが理由のようです。
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=666335
株主総会は、直近1事業年度の会社経営の数字と結果を、オーナーである株主に対して報告するための会議です。
「株主様から出資していただいた額を元手に、この1事業年度経営した結果、これこれこういう数字になりましたよ」と報告するのです。
そこで、株主総会で数字を報告する際には、直近1事業年度の数字については、第三者の承認を経て、客観的に正しい数字であることを担保しなければなりません。
この担保のための手続が、監査役・会計監査人による監査です。
しかし、今回は、この担保のための手続である監査役・会計監査人による監査が得られなかったために、会社は計算書類・その附属明細書・連結計算書類を株主総会に提出し、報告することができずに、継続会を強いられたのです。
会社における株主総会・取締役会(取締役)・監査役(会計監査人)により相互を監督するという三権分立が機能した象徴的なケースといえるでしょう。
他社にとっても、監査役による監査・会計監査人による監査の重要性をより実感できたケースであったのではないでしょうか。
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2009年01月23日
不正競争防止法改正に向けて
経産省内の知的財産政策部会の「技術情報の保護等の在り方に関する小委員会」では、現在、不正競争防止法の改正に向けての議論が進められています。
不正競争防止法の何が改正されるかというと・・
営業秘密の保護に関する部分です。
営業秘密の保護に関しては、平成15年、平成17年、平成18年と相次いで改正が行われていますが、今の動きは、さらなる改正を行おうとするものです。
具体的には、(1)営業秘密を侵害する行為(営業秘密侵害罪)の成立要件(構成要件)を変更することと、(2)刑事訴訟手続における営業秘密の取り扱い方法を変更するということが議論されています。
まず、営業秘密侵害罪の成立要件の変更が何を意味するかというと・・
現在、営業秘密侵害罪が成立するためには、成立要件として、「不正競争の目的」が必要とされています。
しかし、「不正競争の目的」が成立要件として必要だとすると、たとえば、不正アクセスによって取得した営業秘密をインターネット上で一般公開することによって、秘密の保有者に損害を与えようとする愉快犯がいた場合に、その愉快犯を営業秘密侵害罪で処罰することはできなくなってしまいます。
愉快犯の目的はあっても、「不正競争の目的」はないからです。
これでは、営業秘密という財産的価値のあるものを十分に保護できなくなってしまいます。
そこで、現在の改正論議の中では、「不正競争の目的」ではなく「図利加害目的」にしたらいいのではないかと議論されています。
もし、「図利加害目的」という要件になったとすれば、上記の愉快犯のようなケースであっても、「加害目的」があったとして処罰することができるようになるのです。
つまり、それだけ、企業の側は、営業秘密を侵害しようとする者から広く営業秘密を保護できるようになります。
もう1つ議論されているのは、刑事裁判手続の中での営業秘密の取り扱い方法です。
従来の刑事裁判手続では、裁判の公開という憲法82条の要請に従って、営業秘密であろうと裁判の場において公開されていました。
そのため、企業が営業秘密を侵害されたことをきっかけとして、告訴・告発→逮捕→起訴→裁判になったとしたら、裁判の場において、企業の営業秘密が公開されてしまっていたのです。
これでは、企業としては、営業秘密を侵害されたときに告訴・告発することを躊躇してしまいます。
秘密にしたかった情報が、告訴・告発をきっかけに公になってしまうからです。
そこで、現在の改正論議の中では、裁判の公開という要請に配慮しつつも、営業秘密については裁判官が法廷では内容を言わないようにするとか、証人尋問は公開法廷以外の場所で行うとかの方法でできないかが議論されています。
もし、これが認められれば、企業としては、営業秘密の侵害行為に対して、告訴・告発するということがしやすくなります。
企業として、営業秘密を寄り手厚く保護できるようになるということです。
企業法務・危機管理・リスクマネジメントのアサミ経営法律事務所
不正競争防止法の何が改正されるかというと・・
営業秘密の保護に関する部分です。
営業秘密の保護に関しては、平成15年、平成17年、平成18年と相次いで改正が行われていますが、今の動きは、さらなる改正を行おうとするものです。
具体的には、(1)営業秘密を侵害する行為(営業秘密侵害罪)の成立要件(構成要件)を変更することと、(2)刑事訴訟手続における営業秘密の取り扱い方法を変更するということが議論されています。
まず、営業秘密侵害罪の成立要件の変更が何を意味するかというと・・
現在、営業秘密侵害罪が成立するためには、成立要件として、「不正競争の目的」が必要とされています。
しかし、「不正競争の目的」が成立要件として必要だとすると、たとえば、不正アクセスによって取得した営業秘密をインターネット上で一般公開することによって、秘密の保有者に損害を与えようとする愉快犯がいた場合に、その愉快犯を営業秘密侵害罪で処罰することはできなくなってしまいます。
愉快犯の目的はあっても、「不正競争の目的」はないからです。
これでは、営業秘密という財産的価値のあるものを十分に保護できなくなってしまいます。
そこで、現在の改正論議の中では、「不正競争の目的」ではなく「図利加害目的」にしたらいいのではないかと議論されています。
もし、「図利加害目的」という要件になったとすれば、上記の愉快犯のようなケースであっても、「加害目的」があったとして処罰することができるようになるのです。
つまり、それだけ、企業の側は、営業秘密を侵害しようとする者から広く営業秘密を保護できるようになります。
もう1つ議論されているのは、刑事裁判手続の中での営業秘密の取り扱い方法です。
従来の刑事裁判手続では、裁判の公開という憲法82条の要請に従って、営業秘密であろうと裁判の場において公開されていました。
そのため、企業が営業秘密を侵害されたことをきっかけとして、告訴・告発→逮捕→起訴→裁判になったとしたら、裁判の場において、企業の営業秘密が公開されてしまっていたのです。
これでは、企業としては、営業秘密を侵害されたときに告訴・告発することを躊躇してしまいます。
秘密にしたかった情報が、告訴・告発をきっかけに公になってしまうからです。
そこで、現在の改正論議の中では、裁判の公開という要請に配慮しつつも、営業秘密については裁判官が法廷では内容を言わないようにするとか、証人尋問は公開法廷以外の場所で行うとかの方法でできないかが議論されています。
もし、これが認められれば、企業としては、営業秘密の侵害行為に対して、告訴・告発するということがしやすくなります。
企業として、営業秘密を寄り手厚く保護できるようになるということです。
企業法務・危機管理・リスクマネジメントのアサミ経営法律事務所
2009年01月21日
創業家とコンプライアンス
以前、このblogをlivedoor blog から他のblogサービス(fc2blog)に移行すると案内しました。
しかし、昨日の更新時に、久しぶりに、livedoor blog の管理画面を見たところ、未だ、こちらのlivedoor blogを訪問してくれる方がいらっしゃるようです。
なので、そういう方のためにも、livedoor blog での更新も再開しようかと思います(fc2blogとの併用です)。
livedoor blog から他のサービスに移行することを決めたのは、当時のコンプライアンス上の問題からでしたが、livedoor も現在では経営者も代わり、当時とは実態が代わっているので、livedoorでblogを再開してもコンプライアンス上の問題はないと考えたのも再開の背景です。
さて、今日のテーマは、創業家とコンプライアンスという問題です。
昨日、トヨタ自動車が14年ぶりに創業家出身者に社長を交代することを発表したことについてです。
上場企業と創業家というのは、本来相容れない存在だと思います。
上場するということ=大衆に会社を公開すること=会社をオーナー創業家から手放すということだからです。
しかし、だからといって、創業家出身者が上場企業のトップにたつことに問題があるかというと、必ずしもそうは思いません。
もちろん、上場したにもかかわらず、創業家がずっと会社を我が物顔で支配し続けるという状況であれば株主コンプライアンスの観点から問題ですが、そうではなく、その上場企業の精神的柱として創業家が節目節目に出てくるというのであれば、それは、コンプライアンスと趣旨は一致しても、コンプライアンスには反しないと思うのです。
どういうことかというと・・・
コンプライアンスというのは、そもそも、株主・消費者・地域社会・従業員の期待に応えるということを意味します。
この株主・消費者等は、何に期待しているかというと、表面的には、その会社の日常のサービス内容かもしれませんが、突き詰めると、その会社の創業理念であったり、経営理念だったりするはずです。
その創業理念や経営理念を最もよく知っている者は誰かというと、それは創業者、さらには、創業者と生活を一体にしていた者、つまり、創業家の人たちです。
そうだとすれば、会社が創業理念や経営理念に立ち戻らなければならないような事態に至ったときに、創業家出身者で、会社の業務内容をよく知る者で、能力がある人を、新しいトップに据えるということは、会社として、端的に、創業理念や経営理念に戻りやすいということになります。
だからこそ、節目節目で創業家出身者をトップに据えることは、コンプライアンスの趣旨に合致しても、反しないといえるのです。
トヨタの場合、現在こそ「企業理念」というものがありますが、その企業理念の核心というか、本来の精神的なものは、創業者が残した「豊田綱領」です。
この豊田綱領の内容を誰よりも知る者は、創業家出身者です。
その意味で、現在の経済不況下で、豊田綱領や企業理念に立ち返るという意味では、創業家出身者をトップに据えることは、コンプライアンスの観点からも評価できるのではないかと思います。
企業危機管理・リスクマネジメント−アサミ経営法律事務所
しかし、昨日の更新時に、久しぶりに、livedoor blog の管理画面を見たところ、未だ、こちらのlivedoor blogを訪問してくれる方がいらっしゃるようです。
なので、そういう方のためにも、livedoor blog での更新も再開しようかと思います(fc2blogとの併用です)。
livedoor blog から他のサービスに移行することを決めたのは、当時のコンプライアンス上の問題からでしたが、livedoor も現在では経営者も代わり、当時とは実態が代わっているので、livedoorでblogを再開してもコンプライアンス上の問題はないと考えたのも再開の背景です。
さて、今日のテーマは、創業家とコンプライアンスという問題です。
昨日、トヨタ自動車が14年ぶりに創業家出身者に社長を交代することを発表したことについてです。
上場企業と創業家というのは、本来相容れない存在だと思います。
上場するということ=大衆に会社を公開すること=会社をオーナー創業家から手放すということだからです。
しかし、だからといって、創業家出身者が上場企業のトップにたつことに問題があるかというと、必ずしもそうは思いません。
もちろん、上場したにもかかわらず、創業家がずっと会社を我が物顔で支配し続けるという状況であれば株主コンプライアンスの観点から問題ですが、そうではなく、その上場企業の精神的柱として創業家が節目節目に出てくるというのであれば、それは、コンプライアンスと趣旨は一致しても、コンプライアンスには反しないと思うのです。
どういうことかというと・・・
コンプライアンスというのは、そもそも、株主・消費者・地域社会・従業員の期待に応えるということを意味します。
この株主・消費者等は、何に期待しているかというと、表面的には、その会社の日常のサービス内容かもしれませんが、突き詰めると、その会社の創業理念であったり、経営理念だったりするはずです。
その創業理念や経営理念を最もよく知っている者は誰かというと、それは創業者、さらには、創業者と生活を一体にしていた者、つまり、創業家の人たちです。
そうだとすれば、会社が創業理念や経営理念に立ち戻らなければならないような事態に至ったときに、創業家出身者で、会社の業務内容をよく知る者で、能力がある人を、新しいトップに据えるということは、会社として、端的に、創業理念や経営理念に戻りやすいということになります。
だからこそ、節目節目で創業家出身者をトップに据えることは、コンプライアンスの趣旨に合致しても、反しないといえるのです。
トヨタの場合、現在こそ「企業理念」というものがありますが、その企業理念の核心というか、本来の精神的なものは、創業者が残した「豊田綱領」です。
この豊田綱領の内容を誰よりも知る者は、創業家出身者です。
その意味で、現在の経済不況下で、豊田綱領や企業理念に立ち返るという意味では、創業家出身者をトップに据えることは、コンプライアンスの観点からも評価できるのではないかと思います。
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